#author("2024-02-11T01:31:49+09:00","default:gstaff","gstaff")
* はじめてのGIMIC [#kb559d23]
「GIMICって何ができるの?」「色々パーツがあるけど何が必要なの?」という部分を解説していきます。~
GIMICの購入をご検討されている方は是非ご覧下さい。~
購入をご検討されている方は是非ご覧下さい。~

#contents

** GIMICとは [#v5944dfe]
GIMICは1980〜1990年代に流行ったパソコンやアーケードゲームに使われた音源チップを搭載した多連装音源システムです。((多連装と書きましたが現状は1つのモジュールしか利用できません。将来的には複数モジュールを搭載可能なマザーボードも提供予定です。))~
音源チップは載せ替えることができ、現時点ではOPNA、OPN3L、OPMの3つのモジュールが用意されています。~
* GIMICとは [#v5944dfe]
GIMIC((正式名称はG.I.M.I.Cですが、省略してGIMICと表記します))は1980〜1990年代に流行ったパソコン、アーケードゲーム、ゲーム機に使われた音源チップを搭載する装置です。~
音源部はモジュール化されており、現時点ではOPN3L(Lite版マザーボード内蔵音源)とOPNA、OPM、OPL3、SPC、OPLL、PSG、SSG、OPN2、OPN2C、SPSG 10種類のモジュールが用意されています。~
音源チップはマザーボード/各モジュール上に初めから搭載されており、別途調達する必要はありません。~

#ref(gimic001.jpg)
#ref(GMC-MB2_2.jpg)

** 何ができるの? [#p9c40309]
現状のGIMICではS98というFM音源チップの制御情報を記録したログファイルを用いてパソコンやアーケードゲームの音楽を再生することができます。((S98については[[こちらの記事>サウンドログとは]]で、S98の作成方法については[[こちらの記事>G.I.M.I.C/S98フォーマット ループ化作業手順]]で詳しく解説しています))~
* 何が出来るの? 特徴は?[#p9c40309]
GIMICは実チップを利用した再生機・ハード音源として使用することが可能です。~
出音にもこだわっており、本来チップが持つ音を引き出す様に設計されています。~

またモジュール個別の機能として、OPMモジュールではSHARP X68000用のFM音源ドライバ'MXDRV'の曲データを、~
OPNA/OPN3LモジュールではNEC PC-8801シリーズ、PC-9800シリーズのFM音源ドライバ'PMD'の曲データを直接再生することが可能です。~
**再生機としての機能 [#u6b3fd37]
-以下の形式を直接スタンドアロンで扱うことが可能です。~
曲データを入れたmicroSDカードをGIMICに装着して再生を行います。((対応モジュールの装着が必要です。))~
|形式|拡張子|対応モジュール|解説|
|S98形式|*.s98|SPCモジュール以外全て|音源ドライバ用の曲データでは無く、音源チップの制御情報を記録したログファイルです。((パソコンやアーケードゲームの音楽を再生することができます。))|
|VGM形式|*.vgm|SPCモジュール以外全て|S98形式同様音源ドライバ用の曲データでは無く、音源チップの制御情報を記録したログファイルです。|
|MXDRV形式|*.mdx|OPLMN/OPMモジュール|SHARP X68000用FM音源ドライバ「MXDRV」用の曲データです。&br;「PCM8」対応曲の演奏も可能です。((2代目マザーボードProfessional/Standard版のみ対応))|
|PMD形式|*.m,*.m2,*.mz((正式対応予定))|Lite版マザーボード内蔵音源(OPN3L)/OPLMN/OPNAモジュール|NEC PC-8801シリーズ、PC-9800シリーズ用FM音源ドライバ「PMD」用の曲データです。|
|FMP形式|*.opi,*.ovi,*.ozi((正式対応予定))|Lite版マザーボード内蔵音源(OPN3L)/OPLMN/OPNAモジュール|NEC PC-9800シリーズ用FM音源ドライバ「FMP」用の曲データです。|
|SPC形式|*.spc|SPCモジュール|スーパーファミコンに搭載されたPCM音源 SPC700用の曲データを抽出したファイルです。|

これらのS98/MDX/PMDデータをPC側でSDカードにコピーし、そのSDカードをGIMICのSDカードリーダーに挿入して曲を聴くというスタイルになります。~
-PCとUSB接続を行い、各種エミュレータ、再生ソフトから利用可能です。~
対応ソフト一覧については[[こちら>USB制御FW - 対応ソフト]]をご確認下さい。

将来的にはPCからGIMICに搭載した音源チップの直接制御((例えばPC-88/PC-98/X1/X68000エミュレータなどからGIMICを制御してサウンドを出力するなど…。))や、MIDIによる制御((例えばYAMAHA FB-01やTX81ZのようにMIDI音源として利用できるようにするなど…))を実現したいと考えています。~
現在、PCからGIMICを制御するUSB制御デモを公開しています。詳しくは[[こちら>USB制御]]をご覧下さい。~
**ハード音源としての機能 [#h1bcea5e]

-PCとUSB接続を行い、DAW等でGIMICを扱うことが可能です。((別売ライセンスドングルの導入が必要です))~
詳細については[[VSTプラグイン>VSTプラグイン]]または[[MIDI機能>MIDI機能]]をご確認下さい。~

-GIMICにブレイクアウトケーブルを装着することにより、MIDI音源として利用可能です。((YAMAHA FB-01やTX81Zの様に、スタンドアロンMIDI音源として利用を想定しています。))~

* GIMIC購入前に準備して頂く物 [#q4215117]

** SDカードリーダ及びSDカード [#u778376f]
前述しましたが現在のGIMICはSDカードに入れた曲データを再生するスタイルが主となります。~
GIMIC本体にSDカードリーダーを搭載していますが、USBで接続してもPC側からはSDカードリーダーとして認識できません。~
よってSDカードリーダーと曲データを入れるSDカードを事前に用意して頂く必要があります。~
容量は2GB〜4GB辺りを推奨します。またGIMICは最大8GBまでのSDHCカードに対応しています。~
** microSDカードリーダ及びmicroSDカード [#u778376f]
前述しましたがGIMICはスタンドアロン動作の場合、microSDカードを使って再生を行います。~
GIMIC本体にmicroSDカードスロットを搭載していますが、USBで接続してもPC側からはmicroSDカードリーダーとして認識できません。~
よってmicroSDカードリーダーと曲データを入れるmicroSDカードを事前に用意して頂く必要があります。~
最大32GBまでのmicroSDHCカードに対応しています(SDXCには非対応です)~

** USBケーブル [#qdd3f489]
GIMICの電源供給はUSBポートから行いますので、別途USBケーブル(ABタイプ)を用意して頂く必要があります(GIMICにUSBケーブルは添付していません)~
参考に[[ELECOMのUSBケーブル:http://www2.elecom.co.jp/cable/usb/usb2-eco/]]のページにリンクを張っておきます。端子の確認に使ってください。~
パソコンの周辺機器(プリンタ等)によく添付されているタイプのUSBケーブルですので余らせている人も多いと思います。~
パソコンから給電しない場合は[[USB→電源コンセント変換アダプタ:http://www2.elecom.co.jp/avd/ipod/charger/ava-acu01/]]を併用したり、セルフパワーのUSBハブを利用したりすることも可能です。~
GIMICをパソコンから制御する為には別途USBケーブル(Aオス⇔microBオス)を用意して頂く必要があります。~
またStandard版の場合は電源供給もUSBポートから行いますのでUSBケーブルは必須となっています。~
パソコンから給電しない場合はUSB→電源コンセント変換アダプタを併用したり、セルフパワーのUSBハブを利用したりすることも可能です。~

** ACアダプタ [#hecdabb9]
Professional版はパソコンからのノイズの影響を受けやすいUSBではなく、ACアダプタから給電することが可能です。~
ACアダプタは5V/1A以上の電流が出力可能な電圧区分2/センタープラスの物が必要です。なお電圧が5.2Vを超えるACアダプタの接続は故障の原因となります。ご注意下さい。~

* GIMICの構成パーツ [#wd76111a]
GIMICを動かすために最低限必要となるパーツは''マザーボード''と''モジュール''になります。~
GIMICを動かすために最低限必要となるパーツは''マザーボード''と''モジュール''(Lite版の場合マザーボードのみ)になります。~
マザーボードと下記のいずれかのモジュールを接続することでGIMICを利用することが可能になります。~
これより各パーツの紹介を行っていきます。型番の部分をクリックすると詳細説明のページに飛びます。~

** [[GMC-MB1>GMC-MB1説明]]: マザーボード [#lf905c06]
GIMICの本体となるマザーボードです。32bit 72MHzのARMプロセッサを搭載し音源チップを制御します。~
マザーボード上にはS98/MDX/PMDデータを格納するSDカードスロット、音声を出力するステレオミニジャックなどを備えています~
** [[GMC-MB2/GMC-MB2LT>GMC-MB2説明]]: マザーボード [#lf905c06]
GIMICの本体となるマザーボードです。32bit 72MHzのArmプロセッサを搭載し音源チップを制御します。~
マザーボード上には音楽データを格納するmicroSDカードスロット、音声を出力するステレオミニジャックなどを備えています~

** [[GMC-OPN3L>GMC-OPN3L説明]]: OPN3-Lモジュール [#rcd35343]
OPN3-L(YMF288)はNECのPC-9821が晩年を迎える頃に採用されたFM音源チップで、~
歴代のNECのパソコンPC-6601SR、PC-8001mkIISR、PC-8801mKIISR(及びそれ以降)、PC-9801シリーズ、PC-9821シリーズ、~
FUJITSUのFM77AVシリーズ、SHARP MZ-2500などに搭載されていた音源チップOPN(YM2203)やOPNA(YM2608)と互換性を持っています。((完全互換ではありません。分かりやすい例で言うとOPNAにはADPCM機能がありますがOPN3-Lでは省略されています。))~
マザーボードは3種類存在し、Professional/Standard版(GMC-MB2)は、PCMデータ再生機能、~
Lite版(GMC-MB2LT)は、下記OPL/M/Nモジュール、OPNモード相当の機能を内蔵しています。(マザーボード単体でも動作します)~

** [[GMC-OPNA>GMC-OPNA説明]]: OPNAモジュール [#rc768c7a]
上述したOPNA(YM2608)を採用したモジュールです。~
PC-8801シリーズのサウンドボードII同様にADPCM用のDRAMを搭載しており、88サウンドの完全再現が可能となりました。~
FM音源とSSG音源のボリュームバランスも調整可能で、PC-8801系、PC-9801系(86ボード相当)に切換が可能です。~

** [[GMC-OPM>GMC-OPM説明]]: OPMモジュール [#led1330c]
OPM(YM2151)はSHARPのX1TurboZやX68000、80〜90年代のアーケードゲームに使われていたFM音源チップです。((YAMAHAのシンセサイザーFB-01、DX21、DX27、DX100、KORGのシンセサイザーDS-8、707などにも互換性のあるFM音源チップOPP(YM2164)が搭載されていました。))~

マザーボードと上記のいずれかのモジュールを接続することでGIMICを利用することが可能になります。~
** [[GMC-OPL3>GMC-OPL3説明]]: OPL3モジュール [#s63166f4]
OPL3(YMF262-M)はAdlib GOLD 1000、Creative Sound Blaster Pro 2.0、Sound Blaster 16、VIBRA 16 などに搭載されたFM音源チップです。~
主にPC/AT互換機のMS-DOS時代のサウンドを再現することができます。~

** [[GMC-SPC2>GMC-SPC2説明]]: SPCモジュール [#hded9f04]
SPC700(S-SMP+S-DSP)はスーパーファミコンに搭載されたPCM音源チップです。~
スーパーファミコンのサウンドを再現することができます。~

//** [[GMC-OPLMN>GMC-OPLMN説明]]: OPL/M/Nモジュール [#p9efb092]
//上述したOPM(YM2151)とOPN3+OPL3(YMF297)を搭載したモジュールです。~
//OPN3+OPL3(YMF297)はNECのPC-9801-118、98MULTi CanBeシリーズの一部機種、98NOTEの一部機種に採用されたFM音源チップで、~
//1つのチップでOPN3(YMF288)とOPL3(YMF262)相当の機能を切り替えて使用することが出来ます。~
//OPN3部は歴代のNECのパソコンPC-6601SR、PC-8001mkIISR、PC-8801mKIISR(及びそれ以降)、PC-9801シリーズ、PC-9821シリーズ、~
//FUJITSUのFM77AVシリーズ、SHARP MZ-2500などに搭載されていた音源チップOPN(YM2203)やOPNA(YM2608)と互換性を持っています。((完全互換ではありません。分かりやすい例で言うとOPNAにはADPCM機能がありますがOPN3では省略されています。またFM音源とSSG音源の音量比も固定になっています。))~
//OPL3部は上述のOPL3モジュールと機能的に同等です。~

* GIMICのオプションパーツ [#g5af4471]
GIMICには本体を拡張させるいくつかのオプションパーツを用意しています。~

** [[GMC-OPT01>GMC-OPT01説明]]: OPN3-L用DACモジュール [#i25e2ec4]
OPN3-Lモジュール専用のDACです。モジュールに標準搭載されているDAC自体も本来の性能を引き出すチューニングを施していますが、~
さらに高性能なBurr-Brown(TI)製ΔΣ方式オーディオDACを搭載したオプションDACを用意しています。~
** [[GMC-OPT04>GMC-OPT04説明]]: 2代目デジタル出力モジュール [#wcc6a68e]
モジュールに光デジタル出力(S/PDIF)を追加する為のオプションです。~
OPTION I/Fコネクタを持つほぼ全てのモジュール((生産完了したOPN3Lモジュールでも動作しますが未保証です。))に対応しています。~
DACに左右されない完全な品質を追求することが可能です。~

視聴比較サンプルは[[こちら:http://hkhacks.googlecode.com/files/gimmick%21_NORM_OPT01.zip]]です。~
ただし視聴環境もそれなりに良くないと「大して変わってないじゃん!」というオチになりますのでご注意ください。~
イベント会場で一声頂ければ標準DACとオプションDACの聴き比べもできますので、是非違いを体感して頂きたいです。~
** [[GMC-OPT03>GMC-OPT03説明]]: 専用拡張ユニット [#a0f0bf63]
GIMICに液晶表示及び操作ボタンを追加する為のオプションです。~
スタンドアロン動作時にPCに接続しなくても操作することが可能です。~

** [[GMC-OPT02>GMC-OPT02説明]]: OPN3-L用デジタル出力モジュール [#i25e2ec4]
OPN3-Lモジュール専用のデジタル出力基板です。DACに左右されない完全な品質を追求することが可能です。~
** ブレイクアウトケーブル [#ecf5acad]
ALVA製BF-BOCMKHを接続することにより以下の端子が利用可能となります。~

** [[GMC-LCD>GMC-LCD説明]]: 液晶ディスプレイ [#p13d3f9d]
演奏している曲の情報を表示したり、MDXデータ専用ですが鍵盤表示を行うことができます。~
鍵盤表示については[[関連動画:http://cgi.geocities.jp/robokabuto/gimic/wiki/index.php?GIMIC%E9%96%A2%E9%80%A3%E5%8B%95%E7%94%BB]]をご覧下さい。~
|ラインアウトx4|RCAジャック、アンバランス (ステレオ2系統)|パラアウト、またはプリアンプ経由での出力が可能|
|MIDI IN|5ピンDINジャック||
|MIDI OUT|5ピンDINジャック||
|ヘッドホンアウト出力|6.3mm TRSジャック、アンバランス(ステレオ)|※マザーボード出力端子と排他使用|

** [[GMC-BOUT>GMC-BOUT説明]]: ブレイクアウトケーブル [#ecf5acad]
ラインアウト(RCA×2)及びMIDI入出力端子を備えたブレイクアウトケーブルです。~
現状のGIMICはMIDI入出力に対応していない為、ラインアウトのみを備えたケーブルをイベント会場限定で頒布しています。~
* GIMICの購入について [#x307a7e0]
コミックマーケットやM3などの同人イベントで頒布を行っています。詳しくは[[こちら>活動情報]]をご覧下さい。~
また店舗での委託販売も行っています。詳しくは[[こちら>委託店舗]]をご覧下さい。~

** [[GMC-BPNL>GMC-BPNLマニュアル]]: バックパネル [#c7631de6]
GIMICの底面は基板が剥き出しの為、濡れた手で触ったり金属の上に置いたりするとショートの原因になってしまいます。~
それを防ぐ為に底面に天板と同様のアクリルパネルを用意しています。~

** テンキー [#uccb95c9]
GIMICの頒布物ではありませんが、背面のUSB A端子にテンキーを接続することでGIMIC本体のスイッチの代わりに曲送りなどが可能になります。~

* 今後の予定 [#n65e2e10]
G.I.M.I.C. Projectでは今後、以下のハードウェアの開発、ソフトウェア(ファームウェア)の開発を行う予定です。~

** PCMモジュール [#d6dcce3f]
ALTERA社FPGAを使ったPCM拡張音源モジュールです。~
強力なエミュレーション機能を搭載し、様々なPCMフォーマット(X68000のADPCM、PC-9821の86ボードのPCMなど)の再生を実現します。~

** OPLLモジュール [#j56b1d19]
YAMAHA製FM音源LSI「YM2413B」を搭載するモジュールです。~
OPLLはエミュレータでも完全再現できている物は皆無ですが、実チップを搭載し完全再現を行います。~

** PSGモジュール [#l9b2daff]
YAMAHA製SSG音源LSI「YM2149F」を搭載するモジュールです。レジスタに独自の拡張を加え、高い再生互換性を実現します。~

** フルスペック版マザーボード [#k18dad31]
モジュールの多連装制御に対応したフルスペック版です。最大4モジュールまでの同時制御に対応します。~

** スタンドアロン再生 [#l3f16348]
音源ドライバを内蔵し、PCに頼らず再生を行います。~
→現在、MXDRVとPMD互換ドライバを搭載しています。~

** PC制御対応 [#xd4e224a]
USBを使ったPCからの制御に対応します。各種ソフトウェアからの実機再生が可能になります。~
→現在、PCからGIMICを制御するUSB制御デモを公開しています。詳しくは[[こちら>USB制御]]をご覧下さい。~

** MIDI制御対応 [#r62a8912]
MIDIからの制御に対応しハード音源として利用可能になります。~

** 同期再生 [#pda3c268]
複数のGIMICを接続し同期再生を可能とします。~

** DJ向け機能 [#tccb8cfb]
ライブで便利なCUE機能等、実機演奏用機材として利用可能です。~


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