* MDXデータの作成方法 [#y5ab0245]
今となっては失われつつあるMDXデータの作成方法を記載します。~
#freeze
* MDXデータの作成方法 [#cd6acfa9]
このページではMXDRVのMDXデータを作成する為に必要最低限の手順を説明します。~
ここで紹介するソフトの使い方はそれぞれのマニュアルを確認して下さい。~
また紹介するソフトウェアの作者様は敬称略させて頂きます。~

#contents

* MDXとは [#vde7e5bd]
MDXとはかつてSHARP X68000シリーズ用のFM音源ドライバとして栄華を誇った''MXDRV''のデータ形式です。((MXDRVは膨大な曲数を誇っていた為、本家X68000の他にもPC-98x1、PC-88VA、MSXなどへドライバが移植されました。))~
GIMICのお試しファームウェアにはMXDRV互換ドライバ((MXDRV2.06+16相当?))が組み込まれている為、S98ログを採取せずとも直接MDXデータを再生することが可能です。~
** MDXとは [#q41f09bc]
MDXとはSHARP X68000シリーズ用のFM音源ドライバMXDRVの曲データ形式です。~

このページではファームウェアに内蔵されたMXDRV互換ドライバを利用してOPMモジュールで楽曲を作成する為の解説を行います。~
> MXDRV 作者:milk, K.MAEKAWA, Yatsube, Missy.M

* コンパイラ [#u5a7cc9d]
MXDRVでの楽曲作成はMMLという言語(詳細は後述します)を用いて行いますが、テキストファイルに演奏情報を記載しコンパイラでMDXデータ形式へと変換を行う必要があります。~
現存するコンパイラにはnote.xとmxc((こうのたけし氏のPC-98x1版を利用します。本家X68000用のmxcは現存していないようです。))の2種類があります。((他にもMADRVのコンパイラmac.xでもMDXを出力できるようです。))note.xはmxcの上位互換コンパイラなので通常はnote.xを使えば問題無いはずです。~
GIMICのスタンドアロンモードにはMXDRV再生エンジン((MXDRV v2.06+17相当))が組み込まれている為、MDXデータを直接再生することが可能です。~
また2014/07/25以降のファームウェアからはADPCMパートの演奏にも対応しました(2代目マザーボードPro版もしくはStd版が必要です)~

■note.xを使う場合
-[[note.x(NOTE085.LZH):http://cgi.geocities.jp/robokabuto/gimic/wiki/index.php?plugin=attach&pcmd=open&file=NOTE085.LZH&refer=MDX%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E4%BD%9C%E6%88%90]]
-[[run68(run68bin-009a-20090920.zip):http://sourceforge.jp/projects/sfnet_run68/]]
*** MDXを作るには [#n9859994]
MXDRVでの楽曲作成はMMLという言語を用いてテキストファイルに演奏情報を記載します。~
ただしMXDRVはそのテキストファイルをそのまま演奏情報として解釈することはできませんので、コンパイラを使ってバイナリデータに変換し、~
そのバイナリデータをMXDRVに渡すことによって演奏を行います。~

note.xはX68000のOSであるHuman68k用の実行ファイルである為、そのままではWindows上で動作させることができません。~
そこでrun68というHumann68kのコマンドラインをエミュレーションするツールを併用して実行します。~
MXDRVは様々な人が開発に携わってきた為か他の音源ドライバとは情勢が異なり、音源ドライバ作者以外が提供するコンパイラも存在します。~
主なコンパイラは以下の通りです。~

■mxcを使う場合
-[[mxc:http://www.vector.co.jp/soft/dos/art/se003454.html]]
|コンパイラ名|アーカイブ名|EX-PCM対応状況|作者|
|mxc.x|MXC101.LZH|非対応|MFS soft, milk.|
|note.x|NOTE085.LZH|対応|DIS|
|tmc.x|TMC105.LZH|対応|NORIKUN|
|tmc2.r|TMC2.LZH|対応|NORIKUN|
|mac.x|[[MADRV201.LZH:http://retropc.net/x68000/software/sound/madrv/madrv/]]|対応|Konoa|
|mxc.exe|[[MXD2063.LZH:http://www.vector.co.jp/soft/dos/art/se003454.html]]|対応|こうのたけし|

mxcはNT系OSではコンソール表示が行われないので注意が必要です。~
EX-PCMとはMXDRVにおいてADPCM(PCM)を8パート利用できる拡張機能に対応しているか否かを示しています。~
GIMICでは2014/07/29以降のファームウェアからEX-PCM対応の曲データの演奏にも対応しています。~

* プレイヤ [#e51805ad]
-[[foobar2000:http://www.foobar2000.org/]]
-[[MDX/MDC input:http://www.vesta.dti.ne.jp/~tsato/soft_fb2k.html]]
何を使えば良いか分からない場合はnote.xを使うと良いでしょう。~

現状、PC側からGIMICへMDXデータを直に転送して再生することができないので制作中の曲データの再生に使うことになります。~
上記の他にもMDXプレイヤは存在していますが、エミュレーションの精度が低いのでRuRuRuさんのMDX/MDCinputをお勧めします。((一部の物はハードウェアLFOの再現性に難があるようです。))~
上記またこれから紹介するツールの拡張子が''.X''または''.R''のファイルはX68000のOSであるHuman68k用の実行ファイルです。~
そのままではWindows上で動作しないので、run68というHuman68kのコマンドラインをエミュレーションするツールを併用します。~

foobar2000をインストールしたら'''C:\Program Files\foobar2000\components'''に''foo_input_mdx.dll''をコピーすればOKです。((必要に応じて''foo_input_s98.dll''も入れておくと良いでしょう))~
-[[run68(run68bin-009a-20090920.zip):http://sourceforge.jp/projects/sfnet_run68/]] 作者:Yokko, masamic

同様に拡張子が''.EXE''または''.COM''のファイルはPC-98,PC/ATのMS-DOS用の実行ファイルです。~
32bit Windowsであればそのまま動作しますが、64bit Windowsで動作させる場合はMS-DOS Player for Win32-x64が必要になります。~

-[[MS-DOS Player for Win32-x64:http://homepage3.nifty.com/takeda-toshiya/msdos/]] 作者:TAKEDA,toshiya

** PDXとは [#ba8cc46d]
PDXとはADPCM(PCM)データを格納する為のデータ形式です。~
初期のPDXは96個までのADPCM(PCM)データを格納することができます。後期のPDXでは96個を超えるデータを格納できるように拡張されています。~
格納できるデータ形式はMSM6258仕様のADPCM、8bit PCM、16bit PCM(ビッグエンディアン)の3種類です。~

*** ADPCM(PCM)データを作るには [#gb57d252]
現在ADPCM(PCM)データを作るとした場合、WAVデータをADPCMデータに変換するのが最も効率が良いと思いますので変換ツールを紹介しておきます。~

|ツール名|アーカイブ名|作者|
|PCM3PCM.X|[[PCM3V215.LZH:http://noz.ub32.org/68fsw.html]]|NOZ|
|WAV2ADP.X|W2ADP101.LZH|Yokko|
|PCMCONV.X|[[PCV10110.LZH:http://www.h6.dion.ne.jp/~chie/freesoft/]]|恥絵袋|
|PCMCONV.COM|[[PCONV18.LZH:http://www.vector.co.jp/soft/dos/art/se004506.html]]|こうのたけし|

※注意事項※~
WAVからADPCMに変換した場合、MXDRVの音量はv7~v8を指定することで元のWAVの音量に近くなります。~
WAVから8bit PCMに変換した場合、MXDRVの音量を最大のv15まで上げても上述のADPCMへ変換した物と比べて音量が異様に小さくなります。~
WAVから16bit PCMに変換した場合、そのままでは確実に音が割れます。元のWAVの音量を6~7%まで下げないとADPCMと同等の音量になりません。~

16bit PCMを使いたい場合は上記変換ツールのオプションや、元WAV自体を加工して音量が6~7%になるように調整を行って下さい。~

*** PDXを作るには [#t80127e6]
作成したADPCM(PCM)データをMXDRVから直接読み取ることはできませんので、各々のデータを連結してPDXファイルを作る必要があります。~
PDXを作るツールもいくつか種類があります。~

|ツール名|アーカイブ名|EX-PDX対応状況|作者|
|PDXM.X|PDXM.LZH|非対応|milk.|
|TPDXM.X|TPDXM07.LZH|対応|Satoyan, AKEMI.A|
|SPDXM.X|SPDXM110.LZH|対応|Satoyan|
|PDMK.X|PDMK05.LZH|対応|DIS|
|PDXM.COM|[[MXD2063.LZH:http://www.vector.co.jp/soft/dos/art/se003454.html]]|非対応|こうのたけし|

EX-PDXとは前述した96個を超えるADPCM(PCM)データを格納できるように拡張されたPDXファイルのことです。((EX-PCMと似たような名前ですが別物なので混同しないように注意))~

何を使えば良いか分からない場合はPDMK.XやSPDXM.Xを使うと良いでしょう。後者はADPCM(PCM)データを加工する機能も搭載しているようです。~

** MDXデータの再生環境の構築 [#facbfe5d]
作成したMDXデータを再生するソフトウェアについて、いくつか例を挙げておきます。~

*** foobar2000 + MDX/MDC input プラグイン [#b7e8b47f]
-[[foobar2000:http://www.foobar2000.org/]] 作者:Peter Pawlowski
-[[MDX/MDC input:http://www.vesta.dti.ne.jp/~tsato/soft_fb2k.html]] 作者:RuRuRu

まずはfoobar2000をインストール。
MDX/MDC inputのアーカイブを解凍し、foo_input_mdx.dllをfoobar2000のインストール先のcomponentsフォルダへコピー。~

■foobar2000の標準のインストール先~
32bit Windowsの場合 C:\Program Files\foobar2000\components~
64bit Windowsの場合 C:\Program Files (x86)\foobar2000\components~

foobar2000を起動したらFile→Preferencesを開いてMDX inputの設定を行ってください。~
SampleRateに62500Hzを選択し、Use LPFのチェックを外して下さい。これでGIMICの音声出力に近い出音になります。~

#ref(foobar2000.jpg)
*** hoot [#vdd41a45]
-[[hoot:http://dmpsoft.s17.xrea.com/hoot/]] 作者:DMP SOFT.

SampleRateに''62500Hz''を選択し、''Use LPF''のチェックを外して下さい。これでGIMICの音声出力に近い出音になります。~
hoot本体とhoot用mxdrvをダウンロード。~
それぞれのアーカイブを解凍し、hoot用mxdrvの中に入っているmxdrv.binをhootのフォルダの中にコピーします。~
hoot.iniをメモ帳で開いて以下の項目を書き換えます。

* コンパイル環境の構築 [#j02a1550]
例としてnote.xを使った場合の環境構築の方法を記載します。上記サイトから'''NOTE085.LZH'''、'''run68bin-009a-20090920.zip'''をダウンロードして解凍してください。~
|hoot.iniの項目|値|
|sampling_rate=|62500|
|buffer=|8|
|time_slice=|16|
|lpf=|0|

#ref(notex.jpg)
'''NOTE085.LZH'''に含まれるデータで必要なのは''note.x''だけです。''note.doc''((.doc形式ですが実際にはただのテキストファイルなのでnote.txtとリネームしてメモ帳で開いてください。))はMMLの仕様が記載されているマニュアルなので目を通しておきましょう。~
hootを起動し、MDXデータをドラッグアンドドロップすることで再生することができます。~
(ドラッグアンドドロップでしかhootへMDXを渡せません。hootのセレクターからMDXを直接再生することはできないので注意)~

#ref(run68.jpg)
'''run68bin-009a-20090920.zip'''に含まれるデータで必要なのは''run68.exe''と''run68.ini''だけです。~
[[c86ctl.dll>ファームウェアダウンロード#c86ctl]]をhootのフォルダの中に入れればGIMICで直接聞くこともできます。~
(ただしADPCMパートやPCM8パートはGIMICから再生されません。hootのエミュレーションによりPC側から鳴ります)

#ref(mxdrv.jpg)
''note.x''、''run68.exe''、''run68.ini''を一つのフォルダの中にコピーします。Cドライブ直下にmxdrvというフォルダを作ってそこに入れるのが良いと思います。~
*** MXDRVg [#vb15cbaa]
-[[MXDRVg:http://gorry.haun.org/mx/]] 作者:GORRY
-[[c86ctl対応x68sound:https://sites.google.com/view/nue/]] 作者:nue

後はコマンドラインで~
GORRYさんのサイトよりMXDRVg及びMXVをダウンロード。nueさんのサイトからc86ctl対応x68soundをダウンロード。~
それぞれのアーカイブを解凍し、MXDRVgの中に入っているmxdrv.dllをMXVのフォルダの中にコピーします。~
c86ctl対応x68soundの中に入っているX68Sound.dllとX68Sound.iniをMXVのフォルダの中にコピーします。~

[[c86ctl.dll>ファームウェアダウンロード#c86ctl]]をMXVのフォルダの中に入れ、MXVのMXDRVg設定で'ROMEOで演奏する'にチェックを入れればGIMICで直接聞くこともできます。~
(ただしADPCMパートやPCM8パートはGIMICから再生されません。X68SoundのエミュレーションによりPC側から鳴ります)

** コンパイル環境の構築 [#na567db0]
例としてnote.xを使った場合の環境構築の方法を記載します(mxc.exeを除くX68000用コンパイラも同じやり方で使うことができます)~

上述したrun68およびNOTE085.LZHのアーカイブを解凍します。~
run68の中に入っているrun68.exeおよびrun68.iniと、NOTE085.LZHの中に入っているnote.xが必要なファイルです。~
Cドライブの直下にMXDRVというフォルダを作ってrun68.exe、run68.ini、note.xをMXDRVフォルダへコピーします。

後はコマンドラインでC:¥MXDRVに移動し、~

>run68 note.x ''コンパイルするファイル.MML''

と入力することでMDXデータを作成できます(以下のような表示が行われます)~
と入力することでMDXデータを作成できます。

#ref(compile.jpg)
コンパイル後、即座にfoobar2000で曲を再生したい場合は以下のようなバッチファイルをC:¥MXDRVの中に作成すると良いでしょう。~
(foobarのインストールパスは自分の環境に合うように修正して下さい)~

コンパイル後、即座にfoobarで曲を再生したい場合は以下のようなバッチファイルを用意すると良いでしょう。~

>"C:\Program Files\foobar2000\foobar2000.exe" /stop ~
>"C:\Program Files (x86)\foobar2000\foobar2000.exe" /stop ~
run68 note.x ''コンパイルするファイル.MML'' ~
call "C:\Program Files\foobar2000\foobar2000.exe" "%~dp0''再生するファイル.MDX''" ~
call "C:\Program Files (x86)\foobar2000\foobar2000.exe" "%~dp0''再生するファイル.MDX''" ~
pause ~

※foobarで該当MDXが再生中の場合、ファイルがロックされていてコンパイルに失敗するので事前に演奏を停止しています。~


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