* はじめてのGIMIC [#kb559d23]
「GIMICって何ができるの?」「色々パーツがあるけど何が必要なの?」という部分を解説していきます。~
GIMICの購入をご検討されている方は是非ご覧下さい。~

#contents

** GIMICとは [#v5944dfe]
GIMICは1980〜1990年代に流行ったパソコンやアーケードゲームに使われた音源チップを搭載した多連装音源システムです。((多連装と書きましたが現状は1つのモジュールしか利用できません。将来的には複数モジュールを搭載可能なマザーボードも提供予定です。))~
音源チップは載せ替えることができ、現時点ではOPNA、OPN3L、OPM、OPL3の4つのモジュールが用意されています。~

// 本機はあらゆるチップ音源をモジュールとして接続し、多種多様の音源を多種多様のデータ・手段により、実チップによる楽曲演奏を行えるようにした音源です。~
// 本機は過去採用された実チップ音源環境を手軽に利用できる環境を提供するという目的で企画が開始された音源です。~
//現在、PCのSPECが大きな進化を遂げ、昔からある各種音源用のデータ等をリアルタイムでソフトウェア演算処理し、PCから再生できる時代となってきました。しかしそれらのソフトウェア音源による再生においては、チップ音源が持つ独特のクセ等を完全に再現するものはほぼ皆無です。また、実際に実音源を利用した楽曲再生を行うには、対応するハードウェアの準備を行う必要があります。オークション等で現状入手できるものがあるとはいえ、実機を用意する手段は、今後のメンテナンスや設置場所等を考慮すると、運用が困難である手段ともいえます。~
//そこでGimicの登場です。Gimicの思想は「モジュール」と「ファームウェア」次第で、出来ることの範囲は非常に大きく、現時点では、s98形式ファイルの再生のみの実現にとどまっていますが、将来的には、ファームウェアとして「各種チップ音源データのGimicによるスタンドアロン、またはPC接続による、Nativeな楽曲再生」や、「MIDI機器として動作」など、また、音源モジュール側としては、FM音源としてOPM/OPLL、その他の音源として、PSG( YM-2149)が既にモジュール製作の候補として上がっております。~
//今回の頒布はシングルモジュール版となっておりますが、もともとは製作時間の都合でシングルモジュールとなっており、企画序盤の段階では、モジュールを4枚搭載可能な仕様で計画されていました。つまりは今回頒布したCPUボードとOPN3モジュールを利用できる~
//4モジュール対応のGimicマザーボードについても開発を行っています。~
//今後のGimicの動きに注目下さい!

#ref(gimic001.jpg)

** 何ができるの? [#p9c40309]
現状のGIMICではS98というFM音源チップの制御情報を記録したログファイルを用いてパソコンやアーケードゲームの音楽を再生することができます。((S98については[[こちらの記事>サウンドログとは]]で、S98の作成方法については[[こちらの記事>G.I.M.I.C/S98フォーマット ループ化作業手順]]で詳しく解説しています))~

またモジュール個別の機能として、OPMモジュールではSHARP X68000用のFM音源ドライバMXDRV((MXDRV (C)milk, K.MAEKAWA, Yatsube, Missy.M))の曲データを、~
OPNA/OPN3LモジュールではNEC PC-8801シリーズ、PC-9800シリーズのFM音源ドライバPMD((PMD (C)KAJA))とFMP((FMP (C)ぐぅ))'の曲データを直接再生することが可能です。~

これらのS98/MDX/PMD/FMPデータをPC側でSDカードにコピーし、そのSDカードをGIMICのSDカードリーダーに挿入して曲を聴くというスタイルになります。~

将来的にはPCからGIMICに搭載した音源チップの直接制御((例えばPC-88/PC-98/X1/X68000エミュレータなどからGIMICを制御してサウンドを出力するなど…。))や、MIDIによる制御((例えばYAMAHA FB-01やTX81ZのようにMIDI音源として利用できるようにするなど…))を実現したいと考えています。~
→現在、PCからGIMICを制御するUSB制御デモを公開しています。詳しくは[[こちら>USB制御]]をご覧下さい。~

* GIMIC購入前に準備して頂く物 [#q4215117]

** SDカードリーダ及びSDカード [#u778376f]
前述しましたが現在のGIMICはSDカードに入れた曲データを再生するスタイルが主となります。~
GIMIC本体にSDカードリーダーを搭載していますが、USBで接続してもPC側からはSDカードリーダーとして認識できません。~
よってSDカードリーダーと曲データを入れるSDカードを事前に用意して頂く必要があります。~
容量は2GB〜4GB辺りを推奨します。またGIMICは最大8GBまでのSDHCカードに対応しています。~

** USBケーブル [#qdd3f489]
GIMICの電源供給はUSBポートから行いますので、別途USBケーブル(ABタイプ)を用意して頂く必要があります(GIMICにUSBケーブルは添付していません)~
参考に[[ELECOMのUSBケーブル:http://www2.elecom.co.jp/cable/usb/usb2-eco/]]のページにリンクを張っておきます。端子の確認に使ってください。~
パソコンの周辺機器(プリンタ等)によく添付されているタイプのUSBケーブルですので余らせている人も多いと思います。~
パソコンから給電しない場合は[[USB→電源コンセント変換アダプタ:http://www2.elecom.co.jp/avd/ipod/charger/ava-acu01/]]を併用したり、セルフパワーのUSBハブを利用したりすることも可能です。~

* GIMICの構成パーツ [#wd76111a]
GIMICを動かすために最低限必要となるパーツは''マザーボード''と''モジュール''になります。~
これより各パーツの紹介を行っていきます。型番の部分をクリックすると詳細説明のページに飛びます。~

** [[GMC-MB1>GMC-MB1説明]]: マザーボード [#lf905c06]
GIMICの本体となるマザーボードです。32bit 72MHzのARMプロセッサを搭載し音源チップを制御します。~
マザーボード上にはS98/MDX/PMDデータを格納するSDカードスロット、音声を出力するステレオミニジャックなどを備えています~

** [[GMC-OPN3L>GMC-OPN3L説明]]: OPN3-Lモジュール [#rcd35343]
OPN3-L(YMF288)はNECのPC-9821が晩年を迎える頃に採用されたFM音源チップで、~
歴代のNECのパソコンPC-6601SR、PC-8001mkIISR、PC-8801mKIISR(及びそれ以降)、PC-9801シリーズ、PC-9821シリーズ、~
FUJITSUのFM77AVシリーズ、SHARP MZ-2500などに搭載されていた音源チップOPN(YM2203)やOPNA(YM2608)と互換性を持っています。((完全互換ではありません。分かりやすい例で言うとOPNAにはADPCM機能がありますがOPN3-Lでは省略されています。またFM音源とSSG音源の音量比も固定になっています。))~

** [[GMC-OPNA>GMC-OPNA説明]]: OPNAモジュール [#rc768c7a]
上述したOPNA(YM2608)を採用したモジュールです。~
PC-8801シリーズのサウンドボードII同様にADPCM用のDRAMを搭載しており、88サウンドの完全再現が可能となりました。~
FM音源とSSG音源のボリュームバランスも調整可能で、PC-8801系、PC-9801系(86ボード相当)に切換が可能です。~

** [[GMC-OPM>GMC-OPM説明]]: OPMモジュール [#led1330c]
OPM(YM2151)はSHARPのX1TurboZやX68000、80〜90年代のアーケードゲームに使われていたFM音源チップです。((YAMAHAのシンセサイザーFB-01、DX21、DX27、DX100、KORGのシンセサイザーDS-8、707などにも互換性のあるFM音源チップOPP(YM2164)が搭載されていました。))~

** [[GMC-OPL3>GMC-OPL3説明]]: OPL3モジュール [#s63166f4]
OPL3(YMF262-M)はAdlib GOLD 1000、Creative Sound Blaster Pro 2.0、Sound Blaster 16、VIBRA 16 などに搭載されたFM音源チップです。~
主にPC/AT互換機のMS-DOS時代のサウンドを再現することができます。~

マザーボードと上記のいずれかのモジュールを接続することでGIMICを利用することが可能になります。~

* GIMICのオプションパーツ [#g5af4471]
GIMICには本体を拡張させるいくつかのオプションパーツを用意しています。~

** [[GMC-OPT01>GMC-OPT01説明]]: OPN3-L用DACモジュール [#i25e2ec4]
OPN3-Lモジュール専用のDACです。モジュールに標準搭載されているDAC自体も本来の性能を引き出すチューニングを施していますが、~
さらに高性能なBurr-Brown(TI)製ΔΣ方式オーディオDACを搭載したオプションDACを用意しています。~

視聴比較サンプルは[[こちら:http://hkhacks.googlecode.com/files/gimmick%21_NORM_OPT01.zip]]です。~

** [[GMC-OPT02>GMC-OPT02説明]]: OPN3-L用デジタル出力モジュール [#i25e2ec4]
OPN3-Lモジュール専用のデジタル出力基板です。DACに左右されない完全な品質を追求することが可能です。~

** [[GMC-LCD>GMC-LCD説明]]: 液晶ディスプレイ [#p13d3f9d]
演奏している曲の情報を表示したり、MDX/PMD/FMPデータでは鍵盤表示を行うことができます。~
鍵盤表示については[[関連動画>GIMIC関連動画]]をご覧下さい。~

** [[GMC-BOUT>GMC-BOUT説明]]: ブレイクアウトケーブル [#ecf5acad]
ラインアウト(RCA×2)及びMIDI入出力端子を備えたブレイクアウトケーブルです。~
現状のGIMICはMIDI入出力に対応していない為、ラインアウトのみを備えたケーブルをイベント会場限定で頒布しています。~

** [[GMC-BPNL>GMC-BPNL説明]]: バックパネル [#c7631de6]
GIMICの底面は基板が剥き出しの為、濡れた手で触ったり金属の上に置いたりするとショートの原因になってしまいます。~
それを防ぐ為に底面に天板と同様のアクリルパネルを用意しています。~

** テンキー [#uccb95c9]
GIMICの頒布物ではありませんが、背面のUSB A端子にテンキーを接続することでGIMIC本体のスイッチの代わりに曲送りなどが可能になります。~

* 今後の予定 [#n65e2e10]
G.I.M.I.C. Projectでは今後、以下のハードウェアの開発、ソフトウェア(ファームウェア)の開発を行う予定です。~

** PCMモジュール [#d6dcce3f]
ALTERA社FPGAを使ったPCM拡張音源モジュールです。~
強力なエミュレーション機能を搭載し、様々なPCMフォーマット(X68000のADPCM、PC-9821の86ボードのPCMなど)の再生を実現します。~

** OPLLモジュール [#j56b1d19]
YAMAHA製FM音源LSI「YM2413B」を搭載するモジュールです。~
OPLLはエミュレータでも完全再現できている物は皆無ですが、実チップを搭載し完全再現を行います。~

** PSGモジュール [#l9b2daff]
YAMAHA製SSG音源LSI「YM2149F」を搭載するモジュールです。レジスタに独自の拡張を加え、高い再生互換性を実現します。~

** フルスペック版マザーボード [#k18dad31]
モジュールの多連装制御に対応したフルスペック版です。最大4モジュールまでの同時制御に対応します。~

** スタンドアロン再生 [#l3f16348]
音源ドライバを内蔵し、PCに頼らず再生を行います。~
→現在、MXDRV、PMD、FMP互換ドライバを搭載しています。~

** PC制御対応 [#xd4e224a]
USBを使ったPCからの制御に対応します。各種ソフトウェアからの実機再生が可能になります。~
→現在、PCからGIMICを制御するUSB制御デモを公開しています。詳しくは[[こちら>USB制御]]をご覧下さい。~

** MIDI制御対応 [#r62a8912]
MIDIからの制御に対応しハード音源として利用可能になります。~

** 同期再生 [#pda3c268]
複数のGIMICを接続し同期再生を可能とします。~

** DJ向け機能 [#tccb8cfb]
ライブで便利なCUE機能等、実機演奏用機材として利用可能です。~

トップ   新規 一覧 検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS