はじめてのGIMIC

「GIMICって何ができるの?」「色々パーツがあるけど何が必要なの?」という部分を解説していきます。
購入をご検討されている方は是非ご覧下さい。

GIMICとは

GIMIC*1は1980〜1990年代に流行ったパソコン、アーケードゲームに使われた音源チップを搭載する装置です。
音源部はモジュール化されており、現時点ではOPNA、OPN3L、OPM、OPL3 4つのモジュールが用意されています。
音源チップは各モジュール上に初めから搭載されており、別途調達する必要はありません。

GMC-MB2.jpg

何が出来るの? 特徴は?

GIMICは実チップを利用した再生機・ハード音源として使用することが可能です。
出音にもこだわっており、本来チップが持つ音を引き出す様に設計されています。

再生機としての機能

ハード音源としての機能

GIMIC購入前に準備して頂く物

microSDカードリーダ及びmicroSDカード

前述しましたがGIMICはスタンドアロン動作の場合、microSDカードを使って再生を行います。
GIMIC本体にmicroSDカードスロットを搭載していますが、USBで接続してもPC側からはmicroSDカードリーダーとして認識できません。
よってmicroSDカードリーダーと曲データを入れるmicroSDカードを事前に用意して頂く必要があります。
容量は2GB〜4GB辺りを推奨します。またGIMICは最大8GBまでのmicroSDHCカードに対応しています(SDXCには非対応です)

USBケーブル

GIMICをパソコンから制御する為には別途USBケーブル(Aオス⇔microBオス)を用意して頂く必要があります。
またStandard版の場合は電源供給もUSBポートから行いますのでUSBケーブルは必須となっています。
パソコンから給電しない場合はUSB→電源コンセント変換アダプタを併用したり、セルフパワーのUSBハブを利用したりすることも可能です。

ACアダプタ

Professional版はパソコンからのノイズの影響を受けやすいUSBではなく、ACアダプタから給電することが可能です。
ACアダプタは5V/1A以上の電流が出力可能なセンタープラスの物が必要です。なお電圧が5.2Vを超えるACアダプタの接続は故障の原因となります。ご注意下さい。
オーディオ製品に添付されているACアダプタ等を推奨します(例:SONY AC-E5212、PSP-100)

GIMICの構成パーツ

GIMICを動かすために最低限必要となるパーツはマザーボードモジュールになります。
マザーボードと下記のいずれかのモジュールを接続することでGIMICを利用することが可能になります。
これより各パーツの紹介を行っていきます。型番の部分をクリックすると詳細説明のページに飛びます。

GMC-MB2: マザーボード

GIMICの本体となるマザーボードです。32bit 72MHzのARMプロセッサを搭載し音源チップを制御します。
マザーボード上にはS98/MDX/PMDデータを格納するmicroSDカードスロット、音声を出力するステレオミニジャックなどを備えています

GMC-OPN3L: OPN3-Lモジュール (生産完了、後継品に切換予定)

OPN3-L(YMF288)はNECのPC-9821が晩年を迎える頃に採用されたFM音源チップで、
歴代のNECのパソコンPC-6601SR、PC-8001mkIISR、PC-8801mKIISR(及びそれ以降)、PC-9801シリーズ、PC-9821シリーズ、
FUJITSUのFM77AVシリーズ、SHARP MZ-2500などに搭載されていた音源チップOPN(YM2203)やOPNA(YM2608)と互換性を持っています。*7

GMC-OPNA: OPNAモジュール

上述したOPNA(YM2608)を採用したモジュールです。
PC-8801シリーズのサウンドボードII同様にADPCM用のDRAMを搭載しており、88サウンドの完全再現が可能となりました。
FM音源とSSG音源のボリュームバランスも調整可能で、PC-8801系、PC-9801系(86ボード相当)に切換が可能です。

GMC-OPM: OPMモジュール

OPM(YM2151)はSHARPのX1TurboZやX68000、80〜90年代のアーケードゲームに使われていたFM音源チップです。*8

GMC-OPL3: OPL3モジュール

OPL3(YMF262-M)はAdlib GOLD 1000、Creative Sound Blaster Pro 2.0、Sound Blaster 16、VIBRA 16 などに搭載されたFM音源チップです。
主にPC/AT互換機のMS-DOS時代のサウンドを再現することができます。

GIMICのオプションパーツ

GIMICには本体を拡張させるいくつかのオプションパーツを用意しています。

GMC-OPT02: OPN3-L用デジタル出力モジュール

OPN3-Lモジュール専用のデジタル出力基板です。DACに左右されない完全な品質を追求することが可能です。

ブレイクアウトケーブル

ALVA製BF-BOCMKHを接続することにより以下の端子が利用可能となります。

ラインアウトx4RCAジャック、アンバランス (ステレオ2系統)パラアウト、またはプリアンプ経由での出力が可能
MIDI IN5ピンDINジャック
MIDI OUT5ピンDINジャック
ヘッドホンアウト出力6.3mm TRSジャック、アンバランス(ステレオ)※マザーボード出力端子と排他使用

GIMICの購入について

コミックマーケットやM3などの同人イベントで頒布を行っています。詳しくはこちらをご覧下さい。
また店舗での委託販売も行っています。詳しくはこちらをご覧下さい。

今後の予定

G.I.M.I.C. Projectでは今後、以下のハードウェアの開発、ソフトウェア(ファームウェア)の開発を行う予定です。

PCMモジュール(初代マザーボード用)

ALTERA社FPGAを使ったPCM拡張音源モジュールです。
強力なエミュレーション機能を搭載し、様々なPCMフォーマット(X68000のADPCM、PC-9821の86ボードのPCMなど)の再生を実現します。

OPLLモジュール

YAMAHA製FM音源LSI「YM2413B」を搭載するモジュールです。
OPLLはエミュレータでも完全再現できている物は皆無ですが、実チップを搭載し完全再現を行います。

PSGモジュール

YAMAHA製SSG音源LSI「YM2149F」を搭載するモジュールです。レジスタに独自の拡張を加え、高い再生互換性を実現します。

フルスペック版マザーボード

モジュールの多連装制御に対応したフルスペック版です。最大4モジュールまでの同時制御に対応します。

同期再生

複数のGIMICを接続し同期再生を可能とします。

DJ向け機能

ライブで便利なCUE機能等、実機演奏用機材として利用可能です。


*1 正式名称はG.I.M.I.Cですが、省略してGIMICと表記します
*2 対応モジュールの装着が必要です。
*3 パソコンやアーケードゲームの音楽を再生することができます。S98についてはこちらの記事で、S98の作成方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
*4 正式対応予定
*5 正式対応予定
*6 YAMAHA FB-01やTX81Zの様に、スタンドアロンMIDI音源として利用を想定しています。
*7 完全互換ではありません。分かりやすい例で言うとOPNAにはADPCM機能がありますがOPN3-Lでは省略されています。またFM音源とSSG音源の音量比も固定になっています。
*8 YAMAHAのシンセサイザーFB-01、DX21、DX27、DX100、KORGのシンセサイザーDS-8、707などにも互換性のあるFM音源チップOPP(YM2164)が搭載されていました。

トップ   新規 一覧 検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS