このページではお試しファームに搭載されたPMD/FMPドライバでの曲データ再生について解説します。
PMDとはKAJA氏が作成されたPC-9800シリーズ用のFM音源ドライバです。*1
PMDは対応する音源ボード毎にドライバが分かれており以下の4種類があります。
ドライバ | PMD.COM | PMDB2.COM | PMD86.COM | PMDPPZ.COM (+PPZ8.COM) |
対象音源ボード | PC-9801-26/26K (YM2203) | スピークボード (YM2608+ADPCM) | PC-9801-86 (YM2608+86PCM) | PC-9801-86 (YM2608+86PCM) |
演奏可能なパート | FM3音,SSG3音 | FM6音,SSG3音 リズム6音,ADPCM1音 | FM6音,SSG3音 リズム6音,86PCM1音 | FM6音,SSG3音 リズム6音,86PCM8音 |
曲データの拡張子 | .M | .M2 | .M2 | .MZ |
PCMデータの拡張子 | なし | .PPC | .P86 | .PVI/.PZI |
GIMICでの再生可否 | 対応 | 対応(ADPCM含む) | 対応(86PCMは非対応) | 非対応 |
GIMICが対応しているのは拡張子が.Mの物と.M2の物になります。
ただし.M2はYM2608のADPCMを使うPMDB2と、86ボードのPCMを使うPMD86とで共通の拡張子になっています。
GIMICではPMD86の.M2の再生にも対応していますが、86ボードのPCMに相当する物が存在しない為にPCM部は発音されません。
実際にはADPCM部で発音しようとするので前回読み込んだADPCMデータによってはブツブツ音が鳴ったりノイズが出たりしますのでご注意下さい。
また、PMDPPZ用の.MZには対応しません(が、拡張子を.MにリネームすればFM音源部だけは再生できます)
※注意事項
PMDは市販ゲームのFM音源ドライバとして多く採用されていましたが、曲データの拡張子はゲームによってバラバラです。
実際には.M2が.Mに、.MZが.Mに、.MがFMにリネームされていたりと様々です。
それらについて逐一解説する気はありませんので自分で調べるなり誰かに聞くなりして対応して下さい。
一番質問が多そうなEVE burst errorのPMDPPZ版については書いておきます。
これはPMDPPZ用の.MZを.MにリネームしていますのでGIMICでFM音源部は再生できますが86PCMパートはどう足掻いても再生できません。
FMPとはGuu氏が作成されたPC-9800シリーズ用のFM音源ドライバです。
FMPはPMDと異なりドライバは1つだけですが対象音源毎に曲データの拡張子が異なります。
ドライバ | FMP.COM | FMP.COM | FMP.COM (+PPZ.COM) | FMP.COM (+PPZ8.COM) | FMP.COM (+PPZ8.COM) |
対象音源ボード | PC-9801-26/26K (YM2203) | スピークボード (YM2608+ADPCM) | スピークボード (YM2608+ADPCM) | PC-9801-86 (YM2608+86PCM) | PC-9801-86 (YM2608+86PCM) |
演奏可能なパート | FM3音,SSG3音 | FM6音,SSG3音 リズム6音,ADPCM1音 | FM6音,SSGPCM3音 リズム6音,ADPCM1音 | FM6音,SSG3音 リズム6音,86PCM1音 | FM6音,(SSG3音) リズム6音,86PCM4音 |
曲データの拡張子 | .OPI | .OVI | .OZI | .OVI | .OZI |
PCMデータの拡張子 | なし | .PVI | .PVI | .PVI | .PVI |
GIMICでの再生可否 | 対応 | 対応 | 対応(SSGPCMとADPCM パートは非対応) | 対応(一部NG) | 対応(86PCMパート は非対応) |
GIMICで対応しているのは拡張子が.OPI/.OVI/.OZIの全てになります。
ただし.OZIではSSGPCMパートは再生されません。また、ADPCMデータの読み込みも行わない為、ADPCMパートは再生されません。
実際にはADPCMデータを読まずに発音しようとするので前回読み込んだADPCMデータによってはブツブツ音が鳴ったりノイズが出たりしますのでご注意下さい。
また86ボードにはYM2608が搭載されていましたが、ADPCM用のDRAMは搭載されていなかった為にそのままではADPCMパートを再生することができませんでした。
そこで登場したのがPPZ8というPCM8音をソフトウェアで合成して86ボードのPCMで鳴らすPCM音源ドライバです。
このPPZ8を使うとFMPのSSGPCMパート及びADPCMパートの合計4chを86PCMから鳴らすことができるようになりました。
しかしこのPPZ8の登場によって弊害が発生します。
YM2608のADPCM用のDRAMは256KBなので最大で256KBの.PVI(ADPCMデータ)しか読み込むことができませんでした。
ところがPPZ8はPC-98本体のEMSメモリを使う為、256KBを越える.PVIを扱うことができました。
これによってスピークボード環境(≒GIMICのOPNAモジュール)では演奏することのできない.PVIが少数ながら存在しています。
262144Byte以上の.PVIを使う曲データはGIMICでは正常に再生できませんのでご注意下さい。
実際には262144Byte以上の.PVIでも読み込みますが、256KBを越える部分は無視されますので256KBを越える部分を再生しようとした時にノイズが発生すると思われます。